ローソク足トレードは有効?
「チャート」とは、特定の時間帯に分割された為替レートの動きを表すグラフです。通常、グラフの横軸は時間帯(タイムゾーン)を示し、縦軸は為替レートを示します。
グラフの横軸に使用される時間帯は、1分、5分、15分、60分、1日、1週間、1ヶ月、四半期(3ヶ月)、1年があります。
これらの時間帯によって、チャートにはそれぞれ呼び方が違います。
たとえば、1日の為替レートの変動を示すグラフは「日足(ひあし)」、1週間が「週足(しゅうあし)」、1か月が「月足(つきあし)」です。
細かい時間帯である分刻みのグラフは「分足(ふんあし)」と呼ばれ、5分刻みなら「5分足」、15分なら「15分足」と呼ばれます。
チャートの各時間帯には1つの為替レートが表示されるだけでなく、「始値」、「終値」、「高値」、「安値」の4つの為替レートが表示されます。
「始値」は各時間帯の初めの為替レートの値であり、「終値」は各時間帯の終わりの為替レートの値です。
たとえば、横軸の時間帯が60分の場合、2~3時の間の始値と終値は、2時00分の為替レートが始値となり、2時59分の為替レートが終値となります。
「高値」は各時間帯で最も高いレートであり、「安値」は各時間帯で最も低いレートを意味します。
チャートでは、これらの4つの値を一目でわかるようにするために「ローソク足」というものを使用しています。
ローソク足は↑の図のように「実体」と呼ばれる太い部分と「ヒゲ」と呼ばれる上下に張り付いた線で構成されています。
実体はレートの上昇または下降を示します。
値が上がると、つまり終値が始値よりも高い場合、実体は白く塗られ、これを「陽線」と呼びます。※上の図では白く塗られていますが、この配色は使用するトレードツールによって異なり、それは↓の陰線の色も同様です。ただ、陽線は多くの場合白抜きになっている傾向にあります。
逆に値が下がると、つまり終値が始値より低いと、その実体は青く塗られ、これを「陰線」と呼びます。
ヒゲは各時間帯の高値と安値を示していて、上端が高値、下端が安値を表しています。
そしてローソク足には、将来の為替レートの動きを予測するくつかのパターンがあります。
例えば、上に長いヒゲを持つ場合(上ヒゲ)や、下に長いヒゲを持つ場合(下ヒゲ)には、為替レートはエネルギーを使い果たし価格が元に戻ってきたことを意味すると考えられるので、一定期間以上、上昇・下降の後に長い下ヒゲや上ヒゲが出た場合は、重要な相場の転換点になるケースがあります。
この場合に該当するローソク足パターンは、「カラカサ」と呼ばれています。
長い下落の後、底値で陽線のカラカサが出た場合、安値から反発(リバウンド)して上昇トレンドに入る傾向にあります。
逆もしかりで、高値圏で大きな陽線が出てから陰線のカラカサがあると、天井が形成されて下降トレンドが始まる傾向にあります。
さらに、始値と終値が一致すれば、始値と終値の間でエネルギーがどちらかに偏った後、売買両方のエネルギーが最終的に相殺されて元の価格に戻ったと解釈されます。
このため、売買が激しくなっている場合が多く、相場の転換を示唆していると考えられます。
ヒゲの無い陽線の場合、始値がその時間帯の安値、終値がその時間帯の高値を意味するため、為替レートは始値から終値まで上昇し続けたということを意味します。
また、陰線だが実態の部分は短く、上下のヒゲが両方とも長い場合、為替レートが上下に大きく動いた結果、最終的には為替レートが下降したことを意味します。
これ以外にも、ローソク足にはいくつかのパターンがあり、それぞれのパターンには名前が付けられています。
「ローソク足」のパターン
市場のトレンドを確認する
トレンドを察知できれば、稼げるポイントが見える
為替取引で利益を得るためには、「安いところで買う、高いところで売る」、または「高いところで売る、安いところで買い戻す」という2つの基本があります。
言い換えれば、外国為替取引で利益を得るためには、「将来の為替レートは高い方向に動くのか、それとも低い方向に動くのか」を正確に判断することが基本なのです。
為替市場では、為替レートの移動方向は「トレンド」と呼ばれます。
従って、外国為替市場の参加者は常に為替レートのトレンドを念頭に置いて取引しています。
そしてトレンドは、「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい」の3つに分けることができます。
上昇トレンドは為替レートが上昇していることを意味し、下降トレンドは為替レートが下落していることを意味します。
横ばいは、為替レートが上下に大きく変動するのではなく、ある程度同じレベルに留まっている状態のことを意味します。
外国為替取引では、為替レートの傾向を理解することが非常に重要です。
1:上昇トレンド
2:下降トレンド
3:横ばい(トレンドレス)
上昇トレンドが続く間は買い、下降トレンドが続く間は基本的に売り
たとえば、上昇トレンドである通貨を買った後、残念ながら購入した通貨が下落したとします。
しかし上昇トレンドが続くと、しばらくすると通貨は再び購入した水準まで上昇し、利益を上げることが可能になります。
一方、下降トレンドで特定の通貨を購入したとします。
この場合、たとえ最初は利益が上がったとしてもすぐにマイナスになり、その後損失が出ることになります。
したがって為替取引をする際は、上昇トレンドが続く間は買いを継続し、下降トレンドが続く間は売りを継続することが基本です。
また、形成されたトレンドが崩壊したと判断された場合は、想定していた方針をキャンセルして反対の取引を実行します。
一般に、為替レートは連続的な山と谷を形成しながら変化します。
理由としては、市場は上か下に動いたとしても、どちらか一方的には動かないからです。
上昇局面でも、上昇と下降を繰り返すうちに相場が上昇し、下降局面では、下降と小さなリバウンドが繰り返される間に下落します。
※上昇トレンドの例↓。小さな上下動を繰り返しながら少しずつ上昇トレンドを形成している。
上昇トレンドが下降トレンドに変わるまで
上昇トレンドが下降トレンドに変わるまでの流れを、ドル円で考えてみましょう。
ドルは、上昇トレンドで当初の115円から118円に上昇したと仮定します。
その後もドルの買い材料が徐々に増加し、市場参加者はさらに多くのドルを購入し、為替レートは120円に上昇します。
しかし、120円で大量のドル売りが控えているため、結果として中間調整が発生し、115円まで下落します。
とはいえ、115円で売りを止めるドル買い注文が大量にあり、また上昇し、前回の120円を超え122円に到達しました。
その後、利益確定等の売却により120円まで落ち込みますが、120円になると押し目買いの需要がありますので、再び上昇していきます。
この調子でドルは何週間も何カ月も上昇し続けています。
ただその押し目は非常に小さく、押し目を待っている人たちはどんなレートでも成り行きで購入し、その後は押し目を作ることもなく130円台にまで上昇しました。
しかし、その後は値を動かすためのニュースもなく、静かに下降しはじめます。
この低下の理由は、供給(ドル売り)が需要(ドル買い)を上回ったという事かもしれません。
また、多くの市場参加者が可能な限りドルを購入してしまい、相場を支えるための大きな買い注文が無くなってしまった可能性もあります。
理由は様々あれど、とにかくドルは下がり始めます。
はじめは125円まで急落し、その後はやや回復しましたが、売りの勢いが強く、下降を進めていきます。
レートが120円を割って急激に下落すると、またさらにドル売りが増加し、多くの人のポジションを閉じる動きも加速して、レートは115円まで急激に下落します。
こうなってしまえば、ドルの売り材料が市場に頻繁に流れるようになりますので、市場は弱気な雰囲気に染まります。
ドルについての非常に悲観的な見方が拡大し、高値の水準では楽観的であった人々でさえ自信を失い、さらに下落する前に急いで売る人々も増えて、ついに105円程度に落ちてしまい、ようやく底打ちの兆しを見せます。
このように、上昇トレンドでも上昇と下降を繰り返しながら値を上げ、下降トレンドでは下降と小さなリバウンドを繰り返しながら値を下げるのです。
トレンドラインを描く
トレンドを察知する簡単な方法として、最初にトレンドラインを引くことをお勧めします。
トレンドラインとは、過去の安値同士または高値同士の為替レートを結ぶ線のことです。
トレンドラインを引くには2つ以上の安値(高値)を結ぶことをお勧めしますが、可能であれば、3つまたは4つ以上の安値(高値)を結ぶことをお勧めします。
なぜならば、よりたくさんの安値(高値)を結べれば、過去において、そのトレンドラインが示すレート以下(以上)に下がらない(上がらない)回数が、より多いことを意味するからです。
たとえ、最初は2つの安値(高値)しか結べないトレンドラインであったとしても、その後、為替レートはそのトレンドラインで示されるトレンドに乗っかる可能性があります。
また、これは応用的ではありますが、トレンドラインがまっすぐでない場合を考えてください。
過去の為替レートを見ると、通貨の需要が瞬間的に上昇することで、通貨の上昇もピッチが徐々に増していき、上昇する角度が急になる場合があります。
この場合、トレンドラインは直線ではなく曲線であるため、トレンド曲線と呼ばれます。
そしてトレンド曲線は下降トレンド中にも発生する可能性があります。
この場合、最初はゆっくりと徐々に低下しますが、下降速度は徐々に上昇し、ある時点で急激に下落します。
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